イグノーベル賞2021/歴代日本人受賞者一覧!くだらないけど奥が深い!?

ユニークで思わず笑っちゃいそうだけど、実はすごく真面目で考えさせられる研究や業績に贈られる賞といえば「イグノーベル賞」が有名です。

授賞式は、毎年10月に発表される本家ノーベル賞に先立ち行われています。

そんなイグノーベル賞。1991年の創設以来、多くの日本人研究者も受賞しており、日本でも大きく話題にのぼっています。

普段、研究や学術的なことに触れる機会がない方でも、彼らの発想・視点などは何かを考えるうえでヒントになりそうです。

ここでは、イグノーベル賞の歴代日本人の受賞者と業績・結果を簡単にまとめてご紹介します。

※本記事で記載している最新版のイグノーベル賞は、2021年9月10日発表のものです

 

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イグノーベル賞

イグノーベル賞とは

「人々を笑わせ、そして考えさせてくれる研究・業績」に贈られる賞として、「イグノーベル賞(Ig Nobel Prize)」は1991年に科学雑誌編集長であるマーク・エイブラハムズ氏によって創設されました。

イグノーベル賞は本家ノーベル賞のパロディという位置づけではありますが、研究者のたぐいまれな発想と努力を称えるとともに、埋もれた研究業績を世に出し、科学の面白さを広めています。

毎年10組ほどがイグノーベル賞に選出され、分野は化学・物理・医学をはじめ、栄養学・音響学・交通計画・昆虫学など多岐にわたっています。

ちなみに、賞状が本家ノーベル賞受賞者から授与されますが、原則賞金はなく、授賞式の参加も自己負担なんだそうです。

 

公式マスコット

イグノーベル賞では、ロダンの彫刻「考える人」をパロディーにした“スティンカー(The Stinker)”と呼ばれる公式マスコットが存在します。

スティンカーには嫌な人、臭い人などの意味があり、考える人が考えながら仰向けにひっくり返った姿となっています。

 

授賞式もユニーク!

イグノーベル賞は、授賞式で受賞者が行うスピーチもユニークなのが特徴です。スピーチで使える時間は、なんとたったの60秒。

受賞者は短時間で会場をいかに盛り上げるかがポイントで、時間を過ぎると8歳の少女「ミス・スウィーティー・プー」が登場。

受賞者がスピーチの途中でも「たいくつなの」「もうやめて、飽きちゃったわ」と止める入ります。スピーチを延長するためには、少女にお菓子を渡して買収する方法もあるんだとか。

ちなみに、なぜ8歳の少女が登場するかというと「8歳の少女に罵倒されると一番傷つく」という研究がもとになっていると言われています。

2018年、医学教育賞を受賞した堀内朗氏もスピーチ中、ミス・スウィーティー・プーに迫られ「もうやめてよ、飽きちゃったわ」の連呼を受けています。

 

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イグノーベル賞歴代日本人受賞者

ここでは、イグノーベル賞の歴代日本人受賞者をご紹介します。並びは直近の受賞者からとなっています。

※賞によっては複数人での受賞もありますが、ここではニュースで報じられた方の名前を記載しています

2021年/動力学賞

村上久助教(京都工芸繊維大学)

京都工芸繊維大学の村上久助教らは、歩行者がしばしば他の歩行者と衝突する理由を実験で解明。実験では2つの歩行者集団を作り、先頭の人に歩きスマホをさせ、周囲の人たちに悪影響を与えかねないことを立証した。

 

2020年/音響学賞

西村剛准教授(京都大霊長類研究所)

西村准教授ら日米豪の合同チーム5人が、声色を変える無害なヘリウムガスをワニに吸わせて鳴き声の仕組みを解明。

 

2019年/化学賞

渡部茂教授(明海大学保健医療学部)ら

5歳の子ども30人が1日に口の中で出すつばの量を調査。1日当たりの唾液の分泌量は500mlになることを数年がかりで突き止めた。

 

2018年/医学教育賞

堀内朗医師(昭和伊南総合病院内科診療部長兼消化器病センター長)

座った姿勢での大腸内視鏡検査を自ら試し、苦痛が少ないことを実証。

大腸がん検査などで行われる内視鏡検査は、通常横向きの状態でカメラを装着した細い管を肛門から挿入。堀内医師は苦痛を減らす方法を探すため自ら患者となり、いろいろ試したところ座った姿勢が容易に挿入できたという。

 

2017年/生物学賞

吉澤和徳准教授(北海道大学農学研究院)ら

吉澤准教授らは、ブラジルの洞窟に生息する昆虫のメスにオスのような形状の交尾器があることを発見。

チャタテムシの一属であるトリカヘチャタテのメスがペニス様の交尾器を有しており、これをオスに挿入することで交尾をすることを発見した。

※同大学は2人目の受賞

 

2016年/知覚賞

東山篤規教授(立命館大学)ら

前かがみになって股の間から後ろ方向にものを見ると、実際よりも小さく見える「光学的・身体的変換視野の効果(股のぞき効果)」を実験で解明した。

前かがみで股の間から風景を見た時、遠くにある物体が小さく、全体的に遠ざかって見える現象は、「視野の逆転」によるものなのか、「上体の逆転」によるものなのかよくわかっていなかった。

東山教授らは10年をかけて実験を行い、股のぞき効果は頭を下にすることで起こることを明らかにした。

 

2015年/医学賞

木俣肇院長(木俣肇クリニック)

キスをすることで皮膚のアレルギー反応が低減すると実証。

この研究ではアトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎で悩む被験者それぞれ数十人に恋人や配偶者と30分間のキスをしてもらったところ、キスする前と比べ、ダニやスギ花粉に対する皮膚のアレルギー反応が抑えられたという。

※キスに関する別の研究を行ったスロバキアのチームも医学賞を共同受賞

 

2014年/物理学賞

馬渕清資教授(北里大学)ら

バナナの皮はなぜ滑りやすいのかを証明。

人工関節の研究をしている馬渕教授は、関節の痛みのもとになる摩擦を減らす仕組みはバナナの滑りやすさと同じだが、その滑りを測定した学術的なデータがなかったことから研究を開始。

研究からバナナの皮の内側は粘液が詰まっており、足で踏まれることでつぶれて滑る原因になることを解明。バナナの皮の上を歩いた時の摩擦は、通常と比べ6分の1しかないという。

 

2013年/化学賞

今井真介氏(ハウス食品)ら

タマネギの催涙成分をつくる酵素を発見。

タマネギを包丁で切ったとき、涙を流させる揮発成分を「催涙成分」と呼び、今井氏らの研究グループはこの催涙成分の生成にこれまで発見されていなかった新しい酵素が関与していることを発見した。

 

2013年/医学賞

新見正則准教授(帝京大学)ら

心臓移植したマウスにオペラを聴かせると、移植された心臓が長く動くことを発見。

心臓を移植したマウスは免疫の拒絶反応で平均7日間で死んでいたが、オペラ「椿姫」を聴かせた結果、生存期間は平均40日間に延びたことがわかった。

なお、モーツアルトは平均20日間、エンヤの歌は平均11日間だったとのこと。

 

2012年/音響賞

栗原一貴氏(産業技術総合研究所)
塚田浩二氏(科学技術振興機構)

人の迷惑関係なく話し続ける人を邪魔するおしゃべり撃退装置「スピーチ・ジャマー」の発明。

スピーチ・ジャマーの仕組みは、話をしている人の声をマイクで拾い、約0.2秒後には指向性スピーカーで本人に声を送り返す。

人間は少し遅れて自分の声が聞こえると、なぜかうまく話せなくなることがわかっており、この現象を応用したという。

 

2011年/化学賞

田島幸信氏(香りマーケティング協会理事長)
今井真氏(滋賀医科大学講師)ら

火災など緊急時に眠っている人を起こすのに適切な空気中のわさび濃度の発見と、これを利用したわさび警報装置の開発。

田島理事長は、聴覚障害者のためにわさびの香りで火災を知らせる「わさび警報装置」を滋賀医科大の今井講師らと共同研究により開発。

使用に適した臭いを探すため、ペパーミントや靴下、わきの匂い、ゴミなど色んな臭いを試した結果、わさびが最も適していた。

 

2010年/交通計画賞

中垣俊之教授(公立はこだて未来大学)ら

単細胞生物の真正粘菌の動きが都市交通ネットワーク整備に役立つことを発見。

中垣教授は粘菌の持つ独特の計算方法を利用し、迷路の最短ルートを探し出せる可能性があることを発見。

この粘菌アルゴリズムが作り出す交通網が、人々の生活を豊かにするかもしれないと期待される。

※中垣教授は2008年に続き2度目の受賞

 

2009年/生物学

田口文章教授(北里大学)ら

パンダのふんを利用して生ゴミの量を減らす研究。

田口教授はパンダが消化しにくい笹を主食にしていることに注目し、パンダのふんを生ゴミに入れたところ、通常より倍の速さで分解する菌を発見。この菌で、生ゴミの量を減量できることを実証した。

 

2008年/認知科学賞

中垣俊之教授(北海道大学)ら

単細胞生物の真正粘菌が迷路の最短経路を見つけることを発見した研究。

脳も神経もない単細胞生物「真性粘菌」が、迷路の最短距離を導き出すことを発見。

3㎝四方の迷路に粘菌を入れると粘菌は全ての道に体を伸ばすが、迷路の入り口と出口にエサを置くと最短距離を結ぶことがわかった。

 

2007年/化学賞

山本麻由氏(国立国際医療センター研究所)

牛の糞からバニラの香りの成分を抽出する研究。

山本氏は牛の糞を200℃で60分間加熱することで、バニラの香りの成分であるバニリンの抽出に成功。

 

2006年

日本人受賞者おらず

 

出典:中日新聞日曜版(2020年9月6日付)
※2006年~2020年まで

参考:各種関連サイト

 

執筆者:やわらかぱんだ

 

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